社会参加を高齢者に促すときの問題点

社会参加をすることは、高齢者の社会的な孤立を予防するだけでなく、残りの人生を楽しく過ごすための糧となったり、人と人とのつながりを通して助け合いに発展させたりすることができます。困ったときに人に頼ったり、誰かに自分が頼られたりすることは、年をとっても生きがいになるので、高齢者の社会参加は高齢化社会の日本にとって、大きな課題の一つだといえるでしょう。

ただし、高齢者に社会参加を促すときによくみられるのが、高齢者の社会参加の窓口やサポートがうまく機能していない点です。社会参加というと仰々しく聞こえますが、近所の人たちとこまめにコミュニケーションを取ったり、家族との行き来を増やしたりすることも社会参加の一つになります。とはいえ、近所の人たちとのふれあいが希薄な高齢者にとっては、いきなり地域のコミュニティに参加することは容易ではありません。それに、家族が遠方に住んでいるため、行き来が困難であるケースも少なくありません。さらに、社会的な活動に参加したくてもどうすればいいのかわからないというケースもあるようです。したがって、このような状況を改善するためには、高齢者の家族や自治体が、積極的に高齢者に情報提供をするほか、第三者の働きかけが必要になります。

具体的には、各地域の民生員が地域包括支援センターと連携を図り、高齢者世帯にコニュニティへの参加を提案したり、自治体が通学する子どもの見守りを依頼したりという方法です。これらはあくまで一つの例に過ぎませんが、人と人とがふれあうための情報提供をしたり、地域貢献を依頼したりすることは、高齢者が社会と接点を持つためのアプローチとして重要です。